This entry was posted on 火曜日, 5月 11th, 2010 at 9:09:18 and is filed under チームいがらし. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Both comments and pings are currently closed.
インターン生中村みづきのイギリスだより「イギリス総選挙」(つくば市議会議員・いがらし立青のページ)
以前一緒に活動していた中村みづきさんが
現在はイギリスのバース大学に留学してがんばっています。
時々メールでチームいがらしのメンバーに
向こうの政治状況を教えてくれているのですが
日本とイギリスの若者の政治意識の違いや
日本の新聞では報道されていない地元レベルの話
など、面白い視点で書いてくれています。
政治学を勉強していることもあってちょっと難しい書き方などもあるのですが
今の日本の政治がモデルにしていると言われる
イギリスの現状についてなので
チーム内のみならず、このページを読んで下さっているみなさまにも読んで頂ければと思って
「中村みづきのイギリスだより」として掲載することにしました。
今回はそのまま載せますが
次回からHP掲載用に書いてもらおうと思います。
みなさまのご意見もお待ちしています。
お楽しみに!
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ご無沙汰しております、みづきです。
先週の木曜日にイギリスで総選挙が行われ、保守党>労働党>自由民主党となりました。皆さんもご存知かもしれませんが、保守党が過半数に及ばず、1974年以来36年ぶりのHung Parliament(中ぶらり議会)となりました。先週の木曜日以来保守党と自民党が連立を組むか話し合いが行われています。頻繁にある選挙、連立政権当たり前という日本の選挙をずっと見て来た私にとって、イギリスの今回の選挙は大変面白いものでした。
予想を上回る投票率に投票用紙がなくなったり、午後10に閉め切るのに長蛇の列で投票ができなかったりでリバプールやロンドンなど一部の選挙区で警察を呼ぶ騒ぎにもなりました。このいい加減な運営はさすがにイギリスだなあと思いました。
日本の政党の場合、政党ごとのイデオロギーの違いはほぼ見られず、右派が圧倒で、連立しても一体どこにその大変さがあるのかよく分からなかったのですが、今回イギリスで36年ぶりの連立政権を発足しなければならないという大騒ぎになって、連立の難しさ、それぞれの政党の根底にあるイデオロギーが実感できました。
バース大学では選挙前に各政党のアピールを(学生、職員にそれぞれの政党の公約を知る機会を与えるため)構内で行うことを一日だけ許したり、授業料の上昇について学長、各政党の市議会議員や学生組合で大学問題に取り組んでいる人を呼んでディスカッションをしたりと今回の選挙に向けて大学全体が(街も)湧いていました。バースは裕福層が住む街なので保守党が強いのかと思いきや、以前から圧倒的に自民党が強く、現職が当選しました。南イングランドは保守党が圧倒的でスコットランドより少し南とスコットランドの一部で労働党、スコットランドは自民党とScottish National Partyが強く、ウェールズ・北アイルランドはその地域色の強い政党が勝っています。日本が地方だと保守の自民党が強いのに対して、イギリスでは反対のことが起こっています。
今回の選挙ではアメリカのように初めて党首のテレビ討論が行われ、第一回の討論でマイナーだった自民党党首のNick Cleggが従来の政治討論に新しい風を送り込んで躍進、26%(57議席)の投票率を獲得しましたが、保守党・労働党に有利に働く選挙制度で議席を減らす事態になりました(保守党36%/306議席、労働党29%/258議席)。民主主義的ではない遅れた選挙制度に批判が拡大、今後制度がどう変わるかが楽しみです(変わらないかもしれませんが。)
選挙に対してテレビの与える影響が強くなり、BBCでは「新聞のこれまでの役割を奪った」ようなことをいっていました。ただ党首のテレビ討論には保守、労働、自民しか呼ばれず、私の社会学の先生はこれに対し怒っていました。イギリスもついにAmericanised(アメリカ化)されてしまいました。政治の多様性、公平さ、批判的な姿勢などはどうやら今回メディアでは疎かにされたようです。
もう一つ特筆すべきはGreen Partyがイギリスで初めて一議席獲得しました。環境問題意識の高さがついにここまで来たかという感じです。
昨年EUではLisbon Treatyが締結され、EU憲法も発進しました。ますますヨーロッパはEU統一・拡大が進んでいますが、保守党はEUへの権力拡大に反対、移民にはより厳しい法を、とイギリスはヨーロッパ大陸とは逆方向に向かっていきそうです。今回議席獲得にはならなかったBritish National Partyという超右翼も移民問題には敏感で、イギリスでは右派の流れが(政治的には)強まっています。イタリアでも右翼の台頭は1990年以来目立ってあり、イタリア政府は移民に以前よりかなり強い姿勢をとっています。ブリュッセルや他の西ヨーロッパ諸国の移民への強い風当たりも目立ちます。こうしたことを考慮すると、以前からメールで議論されている外国人地方参政権ですが、日本では不法移民がヨーロッパほど深刻ではない為鳩山さんも口に出来たのでしょうが、ヨーロッパでは(少なくともイギリスでは)外国人参政権に好意的な公約は示せない態勢になっていると思います。
以上、ちょっとした報告まで。
みづき